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インターネットによって誘発される山岳遭難の事例 No.2

膨らみ続ける他者承認欲求

Uedaさんは2013年3月に、二上山権現岳の二箇所で山頂標識を設置している。

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https://archive.is/3jmRF

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https://archive.is/7bhP5

先に設置した二上山では、二つの山頂のうち雄岳に山頂標識がないことを理由に、標識製作~歩荷~設置を行っている。後の権現岳は、既設の標識の破損が理由らしい。この経緯は、他ユーザーの日記に詳しく書かれている。

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権現岳 新山頂標設置経緯のまとめ - pasocomさんの日記 - ヤマレコ

記録に地権者や自治体などに標識設置の許可を得たとの記載がないのと、上記日記の経緯からも、権現岳には無断で設置したと推測して良いと思う。二上山も同様だろうと思っている。

山岳会や登山者によって無断設置された標識の中には、自分の縄張りを示すマーキングのように無秩序に置かれたものもあり、問題視されることが多い。景観を損ねる、不要な場所にも建てられている、管理しきれずにゴミになる。こんな理由で非正規の標識を嫌う登山者も少なからずいる。

Uedaさんは権現岳の標識設置にあたって、日記で賛否を募っている。しかし、SNSの日記でのアンケートでは、対象がフォロワー達(読者)に限定されてしまい、判断に足る回答が集まるとは思えない。また、予め「肯定」的に意見が傾いていることは明らかだ。

予想通り、アンケート結果は、8名のみと極めて少ない回答数で、うち賛成5名、中立・賛否無し3名、反対0名という結果だった。

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権現岳の標識についてアンケートです! - uedayasujiさんの日記 - ヤマレコ

この行動に問題点はいくつもあるが、45年の登山歴を持つUedaさん自身が、標識設置の是非を自身で判断出来ず、他社に委ねたことが最たるものだと思う。すでにSNS依存症に陥って、他者承認欲求を思考力や判断力で制御出来なくなっていたのではないだろうか。

 

 

権現岳の記録公開後には、過去最大の250件の「拍手」が集まり、「フォロワー達の承認反応」を集めることに成功している。この山頂標柱の製作~歩荷~設置のプロセスで、Uedaさんの欲求は大いに満たされていたことだろうと想像される。

権現岳の記録には「俺って凄いだろ?」という自己顕示もあちこちに垣間見れる。

1.重い荷物

標識以外にも杭や木槌を担ぎあげるため、総重量は38kgとなったらしい。記録の中でも度々重さやバランスの難しさに言及している。記録では明確にされていないが、登りは荷物を担いであがったものの、山頂付近に木槌や資材の一部を残置して下山。その後、他のユーザーが回収に協力したようだ。

2.厳しい冬季雪山での作業

足場が確保しにくいうえに吹雪の中での作業がいかに大変かということにも、多くの文字数を使って言及。しかも、無理にこの厳しい季節に敢行する必要があったのだろうか?

 

 

山頂に残した私有物の行方 

この標識について地元でも問題視されているとの記事を見つけた。端的に言えば、下品過ぎて山頂の景観にそぐわなかったようだ。また自身や賛同者のニックネームの表記が私有物と見做されて、問題を深める要因になっている。

山頂の標識について - ヤマレコ

https://archive.is/0iNfP2

2013年5月に、第三者の手で標識からニックネームが外されている。本来は標識自体も許されないところだが、悪意がないとして黙認されているようだ。設置の際の「賞賛」を独り占めしたUedaさんは、この時には動かなかったようだ。取り外しを行った人物も明らかにせず「自分の友人」とだけ記載するに留めている。

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権現岳標識に取り付けた名簿をとりはずしました。 - uedayasujiさんの日記 - ヤマレコ

インターネットによって誘発される山岳遭難の事例 No.3 に続く